6. まとめにかえて
図 17: ゴールを前に記念撮影2 Anak Bayan St. BRG740 Zone80 Malate Manila City (2003.2.22.) ※ ゴールはバランガイホール内に設置されたもの。 |
メトロ・マニラ全体の流れとして、路地裏の光景は排除される傾向にある。MMDA(※1)は、ストリートからベンダー、ホームレスを廃し、古き悪しき習慣を廃すことに躍起になっている。今、フィリピン共和国政府にとって、人々が半裸で夕涼みし、ベンダーが物を売り、子供達が群れるために、車が通れなくなる状況は、憂慮すべき問題である。
私がマニラに来た当時の、ごった返す街の様子は、徐々に駆逐され、綺麗になってきている。どのくらいの時間がかかるかは分からないが、メトロ・マニラは近代的で衛生的な都市となるだろう。しかし、外国人の余計なお世話ではあるが、近代化とは、ローカル文化を捨てることではない。
先に指摘したように、これら路地裏のローカルなゲームや文化が、大衆文化として見直される時、この国におけるグローバリズムとローカライぜーションは、調和的に共存できるだろう。翻って我々日本のローカルなスポーツが、グローバリゼーションの中で、ローカルさを失いつつある今、メトロ・マニラの光景は、今後、我々のローカル・スポーツの将来を考えていく上で、懐かしくも興味深いものである。
-------脚注---------
- "Metroplitan Manila Development Authority"の略。交通整理、違反車両の取り締まり。歩道の露天商や不法住居の撤去、道路周辺環境の美化などを行う。
投稿者 MMG : 11:53 | -