3) 調査の方法
(1) 調査の対象
・ 対象地域
図2: Ayala Avenue (アヤラ・アベニュー) (2005.8.21) この画像の記事を読む(MMG Station) |
ただ、局地的な状況を紹介するだけでは、当該地域の状況が在住者以外にはイメージしがたいと予測されるため、メトロ・マニラという都市も、おおまかな対象として設定する。加えて筆者が2002年8月15日から2003年8月15日まで住んでいたManila City(MMGカテゴリ)のErmitaにあるBarangay 667と、その周辺地域などを主な調査の対象地域とする。
・ 対象事象と記述の内容
A. メトロマニラ概観
フィリピン共和国といっても、我々日本人が思い描くイメージと、実際に住んでみた雰囲気とは、かなり落差がある。珊瑚礁のビーチを想像することもあれば、夜の歓楽街を想像する人もいるだろうし、バス爆破のテロを想起する人もいるだろう。ここでは、筆者が住み、経験したメトロ・マニラの状況を概観し、ストリート・バスケットボールが、どのような風景の中で行われているかということを、読み手にイメージしてもらうための記述に充てたい。
B. エルミタ周辺のストリート・バスケットボール
前述したように、筆者は1年ほどErmita(エルミタ)という街に住んでいた。その後Pasay City (MMGカテゴリ)に移って現在に至る。メトロ・マニラの中でも、やはりエルミタ周辺は詳しい。ここではErmitaと、その周辺地域について記述したい。
C. その他のストリート・スポーツ
路地裏で行われるスポーツは、バスケットボールばかりではない。ここでは、メトロ・マニラにおけるスポーツの風景を記述する意味を込めて、バドミントン、バレー、チェスなど、比較的、街頭で見かけるスポーツを紹介する。
(2) 記述方法
・ 生活の経験に基づく記述
ここで生活していると、フィリピン人の興味深いことば、行動、エピソードなどは豊富に出会う。しかし、喫茶店で隣に座った人の会話が偶然聞こえてきた時などに、その発言をメモに取るのは困難である。こういった体験については、記憶の範疇での記述に頼らざるを得ない。これらは、煩雑な体験談になってしまうので、この種の記述は脚注で行う。このような記述は、およそ「メトロ・マニラ概観」で用いる。
・インタビューとフィールド調査
筆者は2003年2月11日に、"Barangay Chair Man (※2)"であるMrs. Zenaida Mendoza女氏と、と"Barangay Kagawad(※3) "のBong氏に、インタビューを行った。加えてErmita周辺地域のゴール・ポストの写真を撮って歩き、設置者やゴールの形状などをメモした簡単なフィールド・ノートを作成した。「エルミタ周辺のストリート・バスケットボール」および「その他のストリート・スポーツ」の記述は、上記インタビューやフィールド・ノートに依拠する。
・ 今後の研究活動の見取り図としてのスケッチ
これらを通じて、フィリピン都市部におけるストリート・バスケットボール、およびその風景について、おおまかなスケッチを試みる。もっとも、これでメトロ・マニラのストリート・バスケットボールの全てを記述したとは言えない。このスケッチは、今後の研究活動の見取り図であり、今後、これら1つ1つの要素を各論として、細かい分析、調査を進めたい。
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-------脚注---------
- 高級住宅街。街全体が高い塀で囲まれ、街に入るにはIDが必要で、住人とその関係者、出入り業者以外は、基本的に立ち入り禁止である。ゲートにはショットガンを持つセキュリティーガードがいる。
- バランガイ長。"Captain"と呼ばれることもある。Barangay住人(1年以上居住)による3年ごとの選挙によって、18歳以上の候補者の中から選出される。フィリピン共和国の市民でなければ投票できないので、外国人に、選挙権はない。前掲書"Local Government Code" pp.46-47.
- "Kagawad"→"member of commettee" L.English (2001) "Tagalog-English Dictionary" p.267.
投稿者 MMG : 16:05 | -