2005年5月13日

社員旅行

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写真、文章: 水野真芽 (ミズノマサメ)
Photo & Text: Mizuno Masame


 フィリピンでは、4月から5月にかけてがサマー・シーズンである。この時期は学校が夏休みという事もあり、休日ともなれば、こちらの人は家族総出で海や山へ避暑に出かける。企業においては "Company outing" という、一泊二日程度の社員旅行を催す事が多い。私が勤める職場でも、5月7日と8日の二日間、このイベントがあった。

 今回行ったのは、マニラ市から車で約2時間、ラグナ州ロス・バニョスにある "Alviar's Lake Resort"。マキリン休火山(Mt. Makiling, Dormant Volcano)東側の麓であるこの一帯はホット・スプリング(温泉)の湧く所が多く、各所に宿泊施設を伴う温泉リゾートがある。マニラから手軽な距離という事もあって、訪れる人は多い。温泉場は日本の風呂様式のそれとは違い、プールの格好である。夏の暑い盛りに温泉へ行く、というのはどうも理解し難いところではあるのだけど、こちらでは定番の「避暑」であるらしい。

 25m級のプールとエアコン付きの部屋10部屋、それと、この手のイベントには必需であるカラオケ・セットを借り切って80,000ペソ(約160,000円)。参加人数36名で割って、一人当たり2,000ペソ以上とは結構値が張っているなぁと思った。でも、「本来ここは80人が利用出来るキャパなんだよ」とは手配をした社員の言。一部屋を8人で使用するのが本来らしい。

 プールは温泉なので当然温かい。しかし今回は温水プールというより「ぬるめの風呂」といった感じであった。せっかくなのだから、と泳いでみたけれど、ものの10分もしない内にのぼせてしまう。仕方がないので、ちょっと泳いでは上がってビールを飲み、また泳ぐ、という事を繰り返していた。まあこれはこれで結構気持ちが良い。余談であるけれども、私は日本に暮らしていた頃、冬場の風呂においては、のぼせる直前までバスタブに浸かり、外に出て身震いするまで身体を冷やしてからまたバスタブに戻る、というのが快感であった。フィリピンに暮らしてその遊びが出来ないのは残念至極、って言うか、バスタブはともかく温水シャワーが欲しいなぁ。。。

 それにしても、皆さんは飲むのとカラオケに忙しいのか、ちっとも泳ごうとしない。たまに入っているのを見ても、バチャバチャと水浴びしているだけで、プールの端から端までクロールで泳いでいる人など皆無である。もっとも、泳ぐ事が出来ない、あるいは苦手な人は多い。日本と違い、私立の学校の一部を除いて水泳の授業などはなく、マニラのような都会や内陸で育った人は、泳ぐ機会がないのが普通だ。と思っていたら、威勢良く飛び込んで、いやに泳ぎの上手いのが一人居た。訊けば、彼はネグロス島の漁村育ちとの事であった。

 そんなこんなで泳ぎ疲れて、酔いも大分回ってきたので、そろそろ寝ようかなと思っていたら、「一曲歌え」とマイクを渡されてしまった。英語でもタガログ語でも歌えない私は、普段は適当にあしらったりして歌わなくて済む方向に持っていくのだけど、今回はそうはいかない雰囲気。結局、数年前にタガログ語で歌われてヒットした、チューブの「リメンバー・ミー」を日本語で歌い、その場をごまかしたのであった。。。



投稿者 MMG : 02:23 | - | |