2015年2月28日
水門よ〜し
文章、写真: 美山 治 (ミヤマ オサム)
Text & Photograph: Miyama Osamu
最近、隣の部屋の人がガーデニングを始め、朝夕に水をやたらと使う。どうも向こうの部屋のテラスの標高がこちらよりも若干高いらしく、排水口に流れきらなかった水がこちらのテラスの排水溝に流れ込んでくる。
1. 水が流れてくる。(2015.02.21撮影)
排水溝に一時的に水が貯まるだけで、しばらくすると排水されるので放おっておいた。しかし蚊が発生するようになったので対策を考えていたら下の写真のような状態に。
2. ビールを飲む快適スペースにまで水が...
ガーデニングやめろとか、水使うなとかは言うつもりは無い。うちも時々テラスで魚焼いたりして迷惑かけてるかもしれないし。こちら側で対応して完結させる。せき止めてやろう。
古くからここのメンテナンスをしてくれてる人に水門みたいなのを設置したいと相談したら 「おっしゃ。鉄板加工してるところで作ってもらおう!」という。メジャーで溝の縦横幅を図り、ノートに設計図っぽいのを書き込んでいる。
なんか大げさな話になった。「いくらくらいかかる?」と聞くと「まあ、200ペソもあれば大丈夫。」。 安すぎだろ。大丈夫か? 彼の書き込んだ設計図ぽいのをチラッと見たらまるで落書き。大丈夫かなあw いや、きっと大丈夫。
ちょっとゴタゴタして、オーダーメイド水門の完成は後日という話になった。期限は未定。2日後、朝出かけようとした瞬間に、ノックの音。ドアを開けると「オーダーメイド水門」を持った彼がニカッと笑って立っていた。外出はキャンセル。
それを見た瞬間、横幅が排水溝よりかなり幅が広いと気がついた。溝にはまらないよねえ。メジャーで測って設計図まで書いたのに ... と思いつつも 「うぉおおお!すごいじゃん!」 というと彼は少し照れ笑いを浮かべて作業に取り掛かった。そう。彼はいつも休まない。
3. コンクリをガンガン掘り始める。右に映っているのが水門。
オーダーメイド水門を排水溝に充てがい、首を傾げている。「おっかしいなあ。サイズ合わない。」みたいな顔をして、手でガシガシ押し込んでる。横幅軽く1.5倍。それは無理だw
しばし考えこんで「ちょっと待ってて。」と一言残しスタスタと部屋を出てどっかへ言ってしまった。プランBかな。
4. ものすごい勢いでコンクリを破壊。手元を見ると不思議な道具を使っている。
戻ってきた彼は、排水溝近くに座り込むとハンマーでコンクリをぶっ壊し始めた。見るとコンクリ用の電動ドリルまで持ってきてる。おいおいおいおい。なんか、すごいことしようとしてないか?
右手にハンマー左手には、、なんだこれ? 彼がよく使うマイナスドライバーかなと思ったのだけど、小さすぎる。ハンマーを振るうたびにコンクリが ガコっ ガコっっと音を立てて砕ける。なんかしらんが道具としての完成度は高いようだ。
6. ゴムホースに釘を差したツール。結局電動ドリルは使わずじまい。
ちょっと休憩ってことで、彼はその道具を床においた。それが上の写真。固めのゴムホースに釘を挿したもの。ホース部分を持って釘の頭をハンマーで叩いてたわけだ。なるほど、柄の部分に柔軟性があるので狭いところでも対応しやすいし、ハードヒットしても柄が折れてしまうこともない。特許取ったらいいのに。
7. 水門完成 (2015.02.23撮影)
そんなこんなで水門完成。コンクリの盛り方がちょっと雑。これは自分で修正しよう。あとペンキも塗っとくかな。両サイドのコンクリが乾いてないので開門は24時間待てとのこと。雨がふらなきゃいいな。
そして翌々日、コンクリが完全に乾いたので開門。上にスライドするはずの水門がコンクリで固まって動かない。想定内。こびりついたコンクリをマイナス・ドライバーとハンマーで少しずつ削り、ハンドルを上に引っ張ると シュコンっっ と音を立てて開門。数日間様子を見てたけど隣のテラスから水は侵入してこない。大成功。
8. 開門! (2015.02.25撮影)