2023年9月14日

フィリピンで狂犬病の予防接種

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写真、文章: 美山 治 (ミヤマ オサムとチビ) 
Photo and Text: Miyama Osamu




画像1: パレンケってこんな場所 (2021年07月30日撮影)


2023年8月15日、チビとパレンケに買い物へ行く。
魚屋さんの前を通ったとき「このエビ新鮮やな」と言うとチビが「あれのこと?とエビを指差す」

何気なく突き出されたチビの右腕を見ると引っかき傷が。

オレ「おまえ、それどうした?」
チビ「猫に引っ掻かれた」
オレ「はあ?」


思い出した。一昨日チビはお兄ちゃんの奥さんとその子どもの誕生日ということでお兄ちゃん家に遊びに行って一泊してきた。

オレ「お兄ちゃん家でか?」
チビ「うん」


力が抜ける。。。あれほど野良猫を触るなと言っていたのに。。。

こいつは猫がいると「ミミーン♪、ピシピシピシっ」と言いながら近づいていって触る習性がある。

そういうときはいつも狂犬病の話をして絶対に触るなと言いきかせているのだが。。。

オレ「おまえ、狂犬病のワクチン射ったことあるか? 」
チビ「小さい時に射った。大丈夫よ。こんなの痛くないし」

今も小さいやんけ


日本での国内発症は1957年以降無く、輸入症例は2006年の以来14年ぶりに2020年5月22日に日本へ到着したフィリピン人が狂犬病を発症したとニュースになったが、「日本では」稀なケースではある (参考1)。

しかしフィリピンではわりとポピュラーな疾病で、犬猫に対する無料ワクチン接種事業が行われていたりするが、チビを引っ掻いた猫がワクチンを射っているかは不明。

画像2: 近くのバランガイホールで行われた犬に対する無料の狂犬病予防接種 (2008年11月28日)


話を戻そう。引っ掻かれて痛いかどうかという問題ではない。

「おまえ、発症したらほぼ100%死ぬぞ」

チビ、ちょっと事態を深刻に捉え始める。

買い物を早々に切り上げ家に帰り、狂犬病ワクチンを射ってくれるクリニックを検索。

家からすぐ近くに1軒あったのだけど、4つある電話番号のどれも繋がらず。

もう一軒目、存在しそうなクリニックを見つけ、電話。1個目の番号繋がらず。2個目の番号で繋がった。

お兄ちゃん家に泊まったので引っ掻かれてから最大2日経過。その旨、チビに伝えさせた。

お医者さんは「射っておいたほうがいいでしょう」とのことで、スピーカー越しに聞いた声は差し迫った口調ではなかった。

引っ掻かれて2日くらいだとまだ大丈夫なのかと少し安堵したが、こういうのは正常性なんとかっってやつだ。

今からすぐ向かいますと告げ、ワクチン接種を開始した。「開始」というのは、じつはこのワクチン、1ヶ月ほどかけて計4回射つ。

今回お世話になったクリニックの情報


病院名: CCMM ANIMAL BITE CENTER
住所: 353 Villareal Corner P. Burgos Brgy 59 Pasay City
最寄りの施設: Infront of Pasay City Gen Hospital / Beside Hygeia Pharmacy/St. Mary's Academy
電話番号: 09989448025
営業時間: 午前8-午後 年中無休
Fecebook (公式かどうかは不明)

場所



狂犬病の予防接種の場合は破傷風対策もセットというのを今回初めて知った。それと破傷風ワクチンに「ウマ狂犬病免疫グロブリン」というのが初回だけ含まれているのが何のことだかわからない (参考2)。。チビは馬になってしまうのか。

冗談はさておき、ワクチンを射った直後は卵などを食べないように医者に言われていたらしいが、チビはそれを忘れていて卵を食べた。翌日、破傷風ワクチンを射った箇所が赤く腫れて痒い痒いと言っていた。

大事は至らなかったので良しとする。

では、皆さんの参考になればと思いワクチンの接種プロセスというのを以下に説明する。

※ 私とチビの体験談に基づくものであり、正確性には努めていますが専門的な知識は無いのであくまで「参考」として読んでください。野生動物に噛まれた、引っ掻かれた場合はお医者さんに相談してください。



【ワクチン接種プロセス】

1回目 (2023/08/17)
抗狂犬病ワクチン + 破傷風ワクチン + ウマ狂犬病免疫グロブリン = 2550ペソ (6553.5円)


2回目 (2023/08/20)
抗狂犬病ワクチン 700ペソ (1799円)


3回目
抗狂犬病ワクチン 700ペソ (1792円)


4回目 (2023/09/14)
抗狂犬病ワクチン + 破傷風ワクチン = 850ペソ (2210円)


画像4:  ワクチン接種のプロセスと料金表



合計: 4800ペソ (12480円) ※2023年9月14日換算


【凡例: 用語と料金】
ARB: Anti Rabies Vaccine (狂犬病ワクチン) 700ペソ
TT: Tetanus Toxoid (破傷風ワクチン) 150ペソ
ERIG: Equine Rabies Immunoglobulin (ウマ狂犬病免疫グロブリン) 1700ペソ



【ペソ/円換算レート】
8月17日: 1ペソ2.57円
8月20日: 1ペソ2.57円 (日曜のため金曜日のレート)
8月24日: 1ペソ2.56円
9月14日: 1ペソ2.60円
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【参考リンク】
※ ペソ/円換算レートはフィリピン中央銀行発表を参照





※ なおフィリピンの狂犬病のニュースついては「フィリピンの狂犬病」にまとめてありますので興味がある方はどうぞ。

画像5: 緊張の一瞬


画像6: 破傷風の予防接種


画像8: 狂犬病のワクチン接種カード


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【参考リンク】


1. フィリピンからの入国後に狂犬病を発症した患者(輸入感染症例)について
(豊橋市) 2005/06/15


2. フィリピンから来日後に狂犬病を発症した患者(輸入感染症例)について
(厚生労働省) 2020/05/22


3. Equine Rabies Immunoglobulin: A Review (Journal of Drug Delivery and Therapeutics)



投稿者 MMG : 07:36 | - | |