2008年7月3日
とまります
文章、写真: 美山 治 (ミヤマ オサム)
Text & Photograph: Miyama Osamu
※ アヤラから帰宅途中のバスの車中にて撮影
このボタンは日本では運転手に対して降車の意思表示をする物として稼働しているけど、こちらメトロマニラでは常時点灯していてただの照明オブジェになっているか、常時消灯していて「これは一体ナニ?」という状態のことが多い。
押すと「ピンポーン」と鳴って正常に稼働しているのを時々見かけるけど、そういう場合は、子供がやたらとボタンを押しまくってうるさい。
たくさんの乗客が降車するバス停では黙っていてもバスは停車するけど、あまり人が降りないバス停の場合は黙って通り過ぎてしまうことがある。自分が降りるバス停が近づくにつれ、車両の先頭方面の席に徐々に移動し、車掌さんか運転手の人に「あそこで降りるからね」と事前に伝えないといけないのは少し面倒くさい。少数派のバス停を利用する私にとっては「これがホントに使えたらなあ」と思う。
ボタンを押すだけで意思表示をしたり、人を動かしたりするのが楽ちんと感じるのは、クリック一つで色々な欲求を満たすインターネットと似ている。このボタンは、行き着くところまでいってしまった日本人の危ない思想の原型であるような気もする。彼らはこのボタンをオブジェとして眺めている方がいいのかもしれない。
---関連リンク---
このボタンが稼働しているバスの記事 : "Green Flog Bus" (2014.07.22)