2011年9月8日

Ayala Station高架下の白い猫

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文章、写真: 美山 治 (ミヤマ オサム)
Text & Photo: Miyama Osamu


 会社の帰り、Ayala Stationの高架下にあるバス乗り場近くの喫煙所で一服していた。最近、Ayala近辺はタバコにうるさくなっていて、モールの出入口に設置されていた灰皿が付いたゴミ箱は撤去され、ただのゴミ箱が置かれるようになった。つまり、もうそこでは吸うなということだ。 喫煙所はどんどん隅っこのほうに追いやられて、現在は排ガスが充満する高架下のバス停のさらに下の通用路のような狭っくるしい場所にある。

 前はGloriettaの出入口には灰皿付きゴミ箱が置いてあったのだけど、今は4階の映画館があるフロアのテラスまで出なくてはいけない。帰り道にちょっと一服と思ってわざわざ4階まで上がるのは面倒くさすぎる。

 だから最近はその日の買い物を終えてバス停に向かうとき、その隅っこに追いやられた喫煙所に立ち寄るようになった。チューインガムや水、バロットやスナックなどを売るベンダーがいるスペース。そこには灰皿らしきものはなく、ペンキの空き缶だとかチリトリとかが灰皿替わりにされている。淀んだ空気と湿気の中で工事現場で働くおじさんや、SMの店員さん、銀行の窓口のお姉さん、会社帰りのサラーリーマン風の人、いろいろな人が本当にダルそうにタバコの煙を排気ガスに混ぜるように吐き出している。私もダルそうに煙を吐き出す。

 そんななか、真っ白な猫が眠そうに寝そべっていた。排ガスもタバコの煙も湿気もまるで私には一切関係ありませんといった風情だ。なんか涼しげだなと思って写真を撮ろうとしたら、横にいた飼い主と思わしき人が「ほれ写真だ起きれ」という感じで猫を突っつき始めた。だめだよ、薄目開けて寝てるところ撮りたかったのに。

 猫はダルそうに座って、こっちを見てポースを決めてくれたので、好意に甘えて写真を撮った。カメラのフラッシュを解除するのを忘れていて、ほとんど寝起きの状態でフラッシュを浴びた彼女は数秒間硬直したままだった。ごめん。



投稿者 MMG : 20:18 | - | |