2007年1月14日

EDSA Traffic

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文、写真: 美山治
Text & Photograph: Miyama Osamu

写真1: 渋滞のEDSA
2007年1月13日(土)、仕事からの帰り、いつものようにマカティー市 (Makati City) にあるMRT3 Ayala station下のバス停からバスに乗り込んだ。午後8時ちょっと前だったように記憶している。EDSAが大渋滞で全然進まない。事故なのか、自然渋滞なのかなんだかよくわからないけれど、とにかく初めて体験するような異常に長い渋滞。

他のフィリピン人乗客もいつもと違う雰囲気を感じてか、しきりに窓から外の様子をうかがったり、携帯電話で知人に到着の遅れを報告するTextを送ったりし始めた。車両の前の方にあるテレビで再生している映画を食い入るように観ていて、渋滞のことなど気にしていない人たちもいる。

いつもなら混雑時でも20分あれば充分に着くはずの距離なのに、家に着いたのが9時48分だったのを考えると、どうやらこの日はかれこれ1時間半もバスの中に閉じ込められていたらしい。やっぱりなんか変。Magallanes に差しかかった頃、しびれを切らしたごく一部の乗客4〜5人は、バスを飛び出してMRT Magallanes (マガリアニス) Station方向へと駆け出していった。どうやらMRTに乗り換えるつもりらしい。窓から外の様子を見ていると同じようなことを考える人々がいるらしく、バスから飛び出してきた人々が車両の隙間を縫ってわらわらと駅に向かっている。民族EDSA大横断である。薄暗い中を人々が無秩序に歩いていく光景はちょっとしたもので、この光景だけ見たらクーデターか暴動かなにかだと勘違いする人もいるかもしれない。カメラを構えてみたものの、明るいバスの中と外の暗さ、そしてガラス窓越しに撮影という条件が重なってプレビューでみた画像には窓に反射した隣に座っている女の子の顔。私の携帯を珍しげに覗き込んでいたその女の子と顔を見合わせて笑ってしまった。

写真2: 歩道橋の人々’
2、3年前の私なら、同じようにしびれを切らしてバスから逃げ出していただろう。こういうとき一番いいのは事態がはっきりするまで動かないこと。これはフィリピンに来て学んだことの1つ。例えばMRT。左手にMRTが通過するのが見えたが、車両の中はぐちゃぐちゃに人が詰め込まれている。MRTも当然ラッシュで、この分ではチケットを買うために30分、いやそれ以上並ぶはめになるだろう。チケットを買えても今度は人が多すぎて車両に乗り込めないことも考えられる。2、3本列車を見送ることになるかもしれない。ではタクシーは。多分無理。Ayala近辺ならまだしも、こんな中途半端な場所を通るタクシーは恐らく乗客搭乗済みのものばかりで、結局つかまらないだろう。無駄なカロリーと時間を費やして、得られる効果はあまり変わらない。だったらエアコンの効いたバスの中でぼけっと座っていた方が得策だ。インフラが整っている国ならば次の手、他の手段を選択できるけれど、そうじゃない場合、結局今現実にある1つの有効な方法に頼るしかない。

ようやく家の近くのバス停に到着し、疲れで途方に暮れてしばらくぼやっとタバコを吸っていた。見ると歩道橋に人だかりができている。何が始まるんだろうなあと思いつつも、もうオレ帰る、もう帰る、帰る、状態になっていた私はとっとと家に帰った。コンドミニアムのロビーで配達されたタバコ1カートンを受け取りながらセキュリティーガードに「何この渋滞?」と聞いてみたところ、「最終日だから」。「え、何の最終日?」「ほらSM Mall Asiaの花火」
なるほど。それで歩道橋に人が鈴なりに。。。そういえば反対車線はガラガラだった。。お前らいいなあ。



投稿者 MMG : 11:36 | - | |