2007年3月15日
大火事@Squatter
文、写真: 美山治
Text & Photograph: Miyama Osamu
写真1:大火事@Squatter |
共有スペースになっている小さなベランダに出ると、人が集まっている。この場所からは火災現場が一望できる。停電で部屋にいてもすることが無いため、みんな燃え上がる炎を飽きずに観ていた。不謹慎だが火事は綺麗だ。ただ、現場がこのコンドミニアムとあまりに近いため、みんな若干不安げで、気が早い人は家電製品をあっという間に1階のロビーまで運び出していた。コンドミニアムのメンテナンスの人間は慌てて消火ホースを運び出してきて、建物内にある消火栓に繋げ、上記4階のテラスから放水しようとした。いや、それでは届くわけがない。現場との距離約100メートルほど。大した水圧も無いその消火栓から出される水では、下で見物している人間がびしょ濡れになるだけだろう。こちらに火の粉が及んだ場合に備えて周辺を水浸しにするという意味では効果的だが、本人はそういう意図ではなく、本気で届くと思っていたらしい。野次馬たちが慌てて彼を止めた。
写真2:至近距離にて |
野次馬の話に戻る。みな口々に「ああ、スクアッターだからねえ」と仕方が無いといった面持ちでしきりに首を横に振っている。実際そういうエリアは建材なども寄せ集めで作られており、火がついてしまうと紙くずのように燃えてしまう。また道がものすごく狭いので消防車も至近距離には近づけないのだ。川を挟んで現場に放水しているのが遠くの方に見えたが、明らかに水が火元へ届いていない。うちのコンドミニアム敷地内にも消防車が4台ほど入ってきたが、水だけ吸い上げて結局放水せずに帰ってしまった(写真2)。我々の水を返せ。
写真3:一夜明けて |
--------関連リンク---------
スクアッター(Squatter)って何? MMG スポーツ人類学レポートから